「あると便利」について。

ずいぶん前にあったやり取りだが、心に引っかかっていた事がある。

先日、アパートに入っているケーブルTVの点検と称して、業者がやってきた。
それまで、ほぼ連日のように郵便受けにビラが入り、
「○日には必ず自宅にいてください！」
とまで書いてあったので、わざわざ仕事の都合まで付けて自宅待機していた。

やってきたのはごく普通の親父一人。
リビングに上がりこんで、ちょっと点検みたいなことを行った後、

「奥さんねー、今度この新しいケーブルで、インターネットが出来たり、CSデジタル放送が見られるんですよー。
ご主人と相談して是非加入してください!」

と、ビラを渡された。

月々4000円程度。

「あると便利ですよー、こんなDVD（と、TV周辺のDVDを引き出し)をわざわざ買う値段で、ひと月デジタル放送が見放題ですよー」

「私も働いていて、そんなにTVを見る暇はありませんので」
というと、さらに親父は食いついてきた。

「そんな忙しい人こそ、すぐに見たい情報が必要だと思いませんか?
あると便利ですよー!
4000円、安いと思うか高いと思うかですけど、いらなくなったら契約をやめればいいじゃないですか」
と。

くそう、点検っていうのは明目で、結局は勧誘か。

大学時代からあまりTVをつける習慣がない私は、CS放送なんて全く興味がなかったので、親父に向かって言った。

「でも、もともとTVをほとんどつける習慣がないんです。
情報はラジオか、職場のインターネットや新聞でチェックしていますので。
別に不便だと思ったこともありませんし」

それでも、余りにもしつこいので、徐々にに私も喧嘩腰になってきた。
「すみません、私、今日は仕事を休んであなたのために自宅に戻ってきてるんですけど」

親父もだんだん怒り始めた。
終いには、
「奥さんねー、TV見なきゃダメですよ!」

と言い捨てて去っていった。

ああ時間がもったいなかった。


あると便利。
だけど、なくても生活できる。

「あると便利」なものは、必ず「料金」が発生する。

携帶電話もそう。
今の私にとっては、携帶電話は「ないと困る」。
携帯のカメラは、「あると便利」。
でも、「なくても別に不自由しない」。

別に料金を払うのが嫌だから、という理由ではなく、
「必要と感じないものにお金を払う義理はない」と思う。

月に4000円もTVは見ない。絶対に。
そのお金で本を読んだり、ドライブに行ったり、美味しいお酒を飲んだほうが、私にはきっと有意義だ。

そんな風に考える私は、やっぱりちょっと変わっているんだろうか・・・・？