せつなーい

高校時代、一眼レフのカメラをいじっていた事があった。
「オートフォーカス一眼レフ」以前のカメラで、ピントは自分で合わせる。絞りを決めればシャッタースピードはカメラが合わせてくれる。
大学の卒業旅行の時、綺麗な写真が取りたくて使ったのが最後。でもまだまだ現役で使える、はず。

なぜ突然そんな事を、というと。
もともと絵や写真が好きで、でもオートフォーカスカメラで撮るスナップ写真だけではつまらないと感じていた。デジタルカメラもその場で撮ってみんなで見ることが出来てすぐにプリント出来て、もちろんすごく便利だけれど、ボタン一つで消す「便利さ」と、PCで画像を加工することが出来てしまう「便利さ」を、ちょっと味気ないと感じてしまう。

私は「写真愛好家」ですらない。ずいぶん前にちょっとだけかじった事がある、ただそれだけであり、多くを語るべき資格がない事は充分に分かっている。

でも、昔から大事にしていたカメラの活躍する機会がどんどん失われていくのは、カメラの所有者として何だか忍びないのだ。

今後きっと写真を撮る機会が増えるだろうと思い、手元にある一眼レフに合うフラッシュを買おうとメーカーのHPを見てみたが、もうすでにカメラ事業から撤退しているからHPですら充実していないのだ。なんとカメラの型番すら載っていない。
お客様センターに問い合わせるか、「中古カメラ」で検索すればきっと調べもつくのだろうけれど・・・・。
明日以降また根性入れて検索してみようと思っているが、この10年間で、アナログな物が次々と消えていってしまっているようで、とても切ない。デジタルが嫌いなわけではないし、恩恵は充分に受けている。
でも、なのである。何だか割り切れない気持ちがある。

実家には、父が使っていた40年前の一眼レフもある。これも、きちんと手入れしているからまだまだ現役で使えるはず。何とか活躍できる場所を見つけてやりたいと思う。